動画紹介~アメリカ土壌学会より
アメリカ土壌学会では、毎月いろいろなテーマで土壌についてのPRを行っています。
英語ですが、アニメーションだけでもとてもおもしろいです。簡単な和訳も載せていますので、ぜひご覧ください!
6月:レクリエーションを支える土壌
野生植物や動物の生活は土により支えられていています。植物は栄養を土から吸収し、土が支えることで、木は太い幹を維持することができるのです。水も土が雨水を溜めているから使うことができます。自然の中をヒトが歩く時は決められた遊歩道を歩くことが大切です。土を踏み固めてしまうと植物が栄養や水を吸いにくくなります。植物を食べる動物にも影響が出てしまうのです。
砂浜でお城を作るのも土で遊んでいることになります。砂浜は微生物だけでなく、甲殻類やアシカの住みかでもあります。
サッカー場も土があることで、試合を楽しむことが出来ます。土は芝に必要な栄養を供給し、また土に住む微生物も芝が元気に育つのを助けています。
競馬場でも土はとても重要です。ケンタッキーダービーの競馬場を知っていますか?トラックの土は特別な層状になっているのです。粒の大きさと深さが決められた4層構造は馬を守り、彼らがレースで最大限の力が出せるよう考えられています。
池で釣りをしたり、水上スキーをする人はいませんか?湖の水はきれいな方がいいでしょう?土は水をきれいにします。水の量と質の両方に影響するのです。
野外活動をこれからも楽しんでください。その際、土と皆さんの足元に注意を向けてみてください。遊歩道を歩き、ゴミは持ち帰り、レクリエーションにおける土の大切さについて一緒に行った人と話してみてください。
5月:建物やインフラを支える土壌
学校、職場、スーパーも全部土の上に立っています。そして土で作られています。
レンガや煙突は砂と粘土を混ぜ合わせて出来ています。木造の家の木材も元は土の上で作られていますし、他の材料も土を原料にしているものも多いです。世界中多くの場所で土を材料にして作られた家に人々は住んでいるのです。
建物を建てるためには、強く安定な土が必要です。土は超高層ビルを支えうるほど強い場所もあれば、人の体重も支えられないほど弱い場所もあり様々です。もし、建物の下の土が安定していなければ、壁に亀裂がはしり、最悪倒れることもあります。
土には排水を綺麗にする役割もあります。アメリカの田舎では、下水処理層の上澄みを土に染み出し、土の持っている浄水作用を利用して、地下水の汚染を防いでいます。また同様の装置は雨水の拡散にも利用され、表面流水や水質汚染等を防ぎます。
都市での排水も土の機能に頼っています。都市では緑地を増やすことで、自然の浄水システムの役割を増やし、人口の排水システムの負担を軽減させてとしています。
土は環境や生活を支えるシステムの要です。土はインフラを支えているだけではありません。土は私たちの生活を支えているのです。
4月:水をきれいにし、溜める土壌
例えば、都市では雨が土に触れる機会は少なく、水に含まれた汚染物質は取り除かれることなく、排水管から直接川に流れます。しかし、降水管理システムに土を用いた庭園や街路樹を取り入れることで、川に入る水をよりきれいにすることができます。
土は水をきれいにする3つの(物理的、化学的、生物的)機能を持っています。
まずは、物理的機能の紹介です。土はとても優れたフィルターです。でも、その性能は土の種類により違います。粗い粒子で出来た土は隙間も大きく汚染物質も通してしまいます。細かい粒子でできた土のほうが、より多くの汚染物質を取り除けます。しかし、粒子が細かすぎると水も通ることができなくなってしまいます。いろいろなサイズの粒子が入っている土が理想的なフィルターと言えるでしょう。
次は化学的機能です。土はマイナスの電荷を持っているので、プラスイオン、例えばカルシウム、マグネシウム、カリウムなどをくっつける力があります。なので、それらのイオンを水から除去し、土に蓄えることができます。
3つ目は生物的機能です。土に住む微生物は化学物資を分解したり変形したりします。例えば、窒素循環ではいろんな微生物の働きで有機物から窒素分子にまで分解し、空気中に放出します。また、有機物を二酸化炭素と水にする微生物もいます。
こうして、土の機能によって水はよりきれいに安全になるのです。魚も嬉しいですね。
土は地球上で最も大きなフィルターです。土が、私たちが生きていくための基礎的なサービスを提供してくれていること、そして環境や私たちの健康を守ってくれていることを覚えておいてください。
3月:農業を支える土壌
牛が草から得ている栄養も、もとは土からきているのです。
カルシウムを例に考えてみましょう。
人がカルシウムを必要とするように、植物もカルシウムを使って成長します。牛乳にはカルシウムがたくさん入っていますが、そのカルシウムは、牛、牛の食べる草、そして草の生える土からと移動しているのです。
土には栄養がいっぱいありますが、土も私たちと同じようにお腹がすくのです。
作物が育つことで、連続的に養分がなくなります。なくなった養分は有機や化学肥料で補われます。そこで重要なのは、肥料を入れる前に土の状態を調べることです。実験室で検査をして必要な肥料の種類や量を決めるのは、人が病院で診察してから、適切な治療を受けるのと似ています。
食べ物にはいろんな種類がありますが、元をたどれば全て土から生まれています。
土について考えることは私たちの生活を考えることと同じ意味があるのです。
2月:都市生活を支える土壌
土が地表に接していれば、雨は土にしみ込みゆっくりと川や池へと移動していましたが、都市化が進み、土が地表から遮断されたことで、都市では排水を人工的に行わなくてはならなくなりました。
でも、都市に存在する土にはいろんな役割があります。まず、皆さんのお宅の庭などがあることにより、大雨の被害などは軽減します。そして、ガーデニングや家庭菜園にも土は重要です。生ごみをコンポストにして使えば、花や野菜が元気に育ちます。自分で作った野菜って美味しいですよね。
都市においても、土はあなたの大切な生活の一部です。